損益計算書について見て入るけど良くわからないという方向けに分かりやすく項目別に説明します。
損益分岐点の計算方法なども交えて説明しますので是非最後までご覧ください。
損益計算書とは、項目を簡単に理解しよう!
損益決算書に関して項目を理解できていますか?
なんとなく営業利益がプラスかマイナスかしか見ていない方は項目ごとの内容を理解できると見方が変わると思いますしアクションプランも思いついて改善していけることも増えると思います。
損益決算書は基本的に作られてデータや紙ベースで送付されて確認していると思いますし誰も見方を教えてくれないなんて経験沢山あるのではないでしょうか?
今はデータで支給がほとんどですね。
そんなときどのように調べればよいかわからず結局営業利益がどのくらい出たかなーと理解した程度にとどまってしまうのではないでしょうか?
私も、最初は数字がたくさん並んでいて見る気がしなくて、営業利益だけとりあえず見てすぐにしまってましたね。
数字を理解することは経営にとって必須条件ですし、今後ステップアップしたときに会話についていけなくなり挫折を味わうことになるでしょう。
損益決算書の項目に関して簡単にでも理解できるだけでどの項目に問題があるかを発見してより良い稼ぎ方の提案ができるようになります。
それは、今後自分自身で経営したい、ステップアップしていきたい、と考えていれば現状の仕事をしながら覚えておくほうが絶対に効率が良いです。
上記のような内容の項目が記載されていると思います。それでは1ずつ簡単に説明していきます。
覚えておいて損のない内容です。
基本的な損益決算書の項目
細かい項目は除外していますが大体以下のイメージになると思います。
NO | 項目 |
1 | 売上高 |
2 | 売上原価 |
3 | 売上総利益 |
4 | 販管費及び一般管理費(販管費) |
5 | 営業利益 |
6 | 営業外収益 |
7 | 営業外費用 |
8 | 経常利益 |
9 | 特別利益 |
10 | 特別損失(特損) |
11 | 当期純利益 |
NO1 売上高
説明は必要がないと思うが、現状の店舗などでは常に売上を確認することができるとおもう売上に関しては詳しく説明してるためこちらを確認してください。
NO2 売上原価
基本的にほとんどの小売業が日々変動する仕入原価と売価、そして値上がりや値下げと言われる売価変更処理がなされると想定される。そのようなケースが発生する場合原価を確定させるために、
売価還元法が使われることが多くなっている。
売価還元法は、簡単に説明すると以下のようになります。
在庫原価率=(期首在庫原価+仕入れ原価)÷(売上+棚卸売価)
だから年に1~2回売価で棚卸ししますね、売価棚卸から原価を割り出すことで売価還元法となりますね。ここに、ついてはどこかで詳しく説明する予定です。
NO3 売上総利益
上記で原価を割り出すことができたら売上総利益を出すことが可能になります。
簡単に説明すると上記の売価還元法で原価率が80%になった場合は荒利益率が20%であることがわかります。
100万円の売上高だった場合は荒利益(売上総利益)は20万円で確定するといった具合になります。
NO4 販管費及び一般管理費(販管費)
売上原価以外に使用した経費全般がこの中に入ってきます。
例えば下記のような項目すべてが入ってきます。
家賃や減価償却費用
チラシ経費やポイントカードによる販促費
物流費用
修理費用等
人件費(賞与も含む)
水道光熱費
クレジットなどの手数料
※今はQR決済などキャッシュレス化が進んでいるので金額が上がっている企業が多いですね。ですが業態として利便性が高いため導入しない訳にはいきませんね。
店舗で使用する備品関連(レジ袋なども含む)
※今はレジ袋が基本有料化しているのでコストとしては減っていますね。
その他雑費等
- お店が主な利益をもたらしているが店舗以外で勤務しているスタッフがいればそのような 従業員たちの人件費なんかも案分することが良くあります。
上記のように商品原価以外の経費が入ってきます。この部分を削減することが良く求められる部分になりますね。
どれだけ、ローコストで運営できる仕組みを作り、少ない人数でも無理せず運用できるようになるかが鍵ですね。
NO5 営業利益
営業利益は売上総利益-販売費および一般管理費(販管費)になります。
利潤分配率と言われますがここは、売上総利益の20%が営業利益になっていると良い経営状態と言われています。
販促分配率は6%
労働分配率は38%
不動産分配率は18%
その他管理費は18%
上記の割合が目指すべき分配率と言われていますね。
NO6 営業外収益
受取利息・有価証券利息・証券売却利益・仕入割引・家賃収入等本業以外で出ている収益が含まれています。
メーカーやベンダーと契約したリベートなんかも基本営業外収益となるのですが恐らくバイヤーの達成数字は1坪当たりの荒利益高となりますので、営業外収益に入ると努力したことが評価に繋がらない等のケースも発生するので、原価算入している場合もあると思われます。
NO7 営業外費用
本業以外の損失が発生する費用となります。
支払利息、有価証券売却損等様々な費用が発生する可能性があります。銀行などからの借り入れが多い場合は利息の支払いも多くなってしまいますね。
NO8 経常利益
先ほど説明した営業外収益と営業外費用=営業外収支を営業利益に加減算することで経常利益は導き出されます。
本業以外で収支が発生しない場合は営業利益と経常利益はほぼほぼイコールとなります。
経常利益が毎年伸びてっている企業は成長性が非常に高いと判断できます。
NO9 特別利益
通常の事業以外の部分で突発的に発生した収益で固定資産の売却や子会社の売却等で得た利益が含まれます。
NO10 特別損失(特損)
固定資産除却損・固定資産売却損、固定資産廃棄損、減損損失等店舗のスクラップ&ビルド(これは良く発生する案件ですね)災害による損失等もこの項目に含まれますね。
NO11 当期純利益
事業所得に課税される、法人税や都道府県税など差し引いて、当期純利益は表せられます。
ここが基本最終的に残った純利益となります。
補足
PLとしては主な項目としては存在していませんが、貸借対照表(バランスシート)もとても大切ですので覚えておくと良いと思います。
貸借対照表に関して知りたい方はこちら↓
次に損益分岐点について説明します。
損益分岐点は利益を出すために必要な数字を見える化する事ができるとても大切な計算方法です。
損益分岐点を計算する方法。
損益分岐点って何かわからない、計算方法がわからない方向けに説明します。
損益分岐点を理解しなくては、どのくらい売上を上げれば黒字になるのか?
売上を上げることは困難であれば今より少ない売上でも黒字化するためにはどのようなアクションを起こせばよいのか?
これはすべての経営で必要になることだと思います。
まずは簡単に理解することから始めましょう!
損益分岐点とは?
損益分岐点は基本簡単な計算式を活用されることがほとんどだと思います。
計算式は以下になります。
計算式を覚えよう。
販管費÷荒利率=損益分岐点(ブレーク イーブン ポイント)
例)販管費300万円 荒利率20%のお店があった場合の損益分岐点(ブレーク イーブン ポイント)は?
300万÷0.2=1500万円となります。
従って上記の店舗を経営する場合は最低限1500万円の売上がないと赤字の店舗になってしまいます。
これが損益分岐点になります。
損益分岐点比率とは?
損益分岐点には損益分岐点比率といった考え方もあります。
損益分岐点比率=損益分岐点÷売上
例)損益分岐点1500万円の店舗の実際の売上が1800万円だった場合の損益分岐点比率は?
1500万÷1800万=83%程度となります。
例)損益分岐点2,000万円の店舗の実際の売上が1,500万円だった場合の損益分岐点比率は?
2,000万円÷1,500万円=133%となります。
※100%を損益分岐点比率が超えてくると赤字になっているという事になります。
100%以下であることが絶対条件になりますね。基本的には80%以下が優良な店舗といえます。
損益分岐点比率は少ない程良いですので、80%以下を目指しましょう!
損益分岐点を下げることはできるの?
損益分岐点は実際毎月のように変動します。
なぜかというと、店舗の数字はすべてが完全に同じ固定費しかないわけではないからです。
変動する可能性があるケース
- ・エアコンを使いすぎた場合は電気代が上がるため販管費が上昇します。
- ・チラシをたくさん行った事で荒利が下がれば荒利率が下がります。
- ・全く売れない商品を仕入れたことで値下げ処分をする必要がでた。
- ・店舗の備品が故障し修繕費用が必要になった。
- ・従業員の給料を上げる必要が出た場合は販管費が上昇します。
- ・急に家賃が上がった場合は販管費が上昇します。
損益分岐点が上がってしまうケースは例を出すとキリがないくらいありそうですね。
損益分岐点を下げることを考えることが重要
電気代を節約すれば販管費を下げることもできますし、効率よく店舗運営が可能になる仕組みを作ることができれば今までより少ないスタッフで運用することが可能になるかもしれません。
その場合は人件費を下げることができるため販管費が下がります。
荒利が高い商品をたくさん販売することができれば荒利率が上昇します。
これらを実行することができればもちろん損益分岐点を下げることができます。
家賃交渉に成功することができれば、今後値上がりしない限り不変的に販管費が下がることが約束されますので損益分岐点は下がりますね。
下げるケースも沢山考えることは可能
- 電気代を今まで使用していたものより節約する。温度調整とかは良くされている手法ですね、ただ従業員やお客様が不快に感じる温度設定の節約はオススメできませんね。
- 主力アイテムを変更する。
- 高利幅商品を販売する。
- 家賃交渉する、現状の家賃より削減することが可能であれば不動産費用は下がるので損益分岐点は不変的に下げることができます。
- ローコストオペレーションを実現することで人件費を削減し運営可能とする。
- 人件費の高い従業員の比率を減らしてパートタイマーを主軸とした運営をする。
- 経費の無駄遣いがないかを見直して不要なものをやめる。
売上を上げることが難しいと考えた時にどのような行動を起こして損益分岐点を下げるかは様々な方法があります。
集客をする事は、販促費もかかる場合がありますし、認知までに時間がかかることもあります。
損益分岐点は変化させる事ができる数字でもあるので、損益分岐点をどうしたら下げれるか常に数字と向き合って行動する事がとても大切ですね。
では、次に今まで説明した内容以外で見るポイントを説明します。
損益計算書以外で見るポイント
ROAとは
ROAとは総資本対経常利益率と言われています。
以下の公式で表すことができます。
経常利益÷総資本(総資産)×100
ROAは資本の収益性を表すとても重要な数字と判断されています。
基本的には10%を超えてくると優良企業と言われています。
10%を超えてくる企業は少ないのが現実ですね。
改善するのは基本的に総資本回転率を上げることが改善のために必要だと判断されています。
総資本回転率を上げるのは以下の取り組みが重要とされています。
※もちろん営業収入を上げることも重要なポイントではあります。
ROEとは?
ROEは自己資本当期純利益率と言われています。
以下の公式で表すことができます。
当期純利益÷自己資本×100
ROEに関しても目安は10%以上と言われています。
ROEに関しては主に株主向けに自己資本がしっかり利益を生み出しているかを見る指標と言われています。
最後に
簡単に説明しただけでも、覚える情報が多いですね、ですが損益計算書にはこの項目は一体どのような費用が含まれているのですよ、といった説明はしてくれませんし、自分で勉強しない限りなかなか教えても、もらえない部分です。
知ってて当然と思われているからです。
ですが意外と皆さん小売業に努めている経験豊富なスタッフでも理解していないことが多くあったのではないでしょうか?
実は知らないことは恥ずかしいことでは全くありません、むしろ知らないスタッフのほうが私は多いと思います。
ですので知っているだけでチャンスです。
ほかの人から差をつけて評価を手に入れることが可能だと思います。
ちょっとした娯楽の時間をつぶして、少しの勉強するだけである程度は理解できますので是非勉強してみてください。
もっと勉強したい方はこちら↓
※勉強できる項目も豊富で動画でわかりやすいのでとってもおすすめです。