
交差比率(交叉比率)や相乗積といった言葉をよく聞くけどいまいちよくわからない。
そんな方の悩みを解決します。簡単にわかりやすく説明しますので是非読んで見てください。
交差比率とは、利益が出てるかわかる計算式。

交差比率=商品回転率×荒利益率
上記の式で交差比率は表すことができます。
別名ではGMRO(グロス・マージン・リターン・オン・インベントリー)とも言いまます。
※GMROといっている人は見た事ありませんが・・・
店舗で勤務している際に交差比率を計算している人はあまりいないかもしれませんが今後あなたがステップアップしていくにつれて使うケースがあるかもしれませんし、だれかと話すときにもし交差比率の話が出てついていけたらきっと勉強しているな!と思ってもらえると思います。
交差比率は何に使うのか。
交差比率は簡単に言うと、商品の収益性を見るときに使われています。
200%くらいの商品が収益性が出ているラインと考えられています。
単純に交差比率に関しては収益性を確認するのに使うんだー。
200くらいあると収益性が高い商品なんだなーくらいに思っていれば良いんじゃないかなーと思います。
正直小売りで勤務していてもあまり使われているイメージはないですね。
交差比率の計算方法
パターン1(荒利が低くて回転率が非常に高い商品のケース売れ筋の特売品などがこのケースになると思います)
荒利益率 | 商品回転率 | 交差比率 |
---|---|---|
7% | 30回 | 210% |
パターン2(荒利はそこそこあって販売数もそこそこある商品ケース)
荒利益率 | 商品回転率 | 交差比率 |
---|---|---|
20% | 20回 | 200% |
パターン3(荒利率が非常に高く販売数はあまり高くはない)
荒利益率 | 商品回転率 | 交差比率 |
---|---|---|
60% | 3.3回 | 198% |
様々な商品が店舗にはあると思います。どれも収益性は変わらないですね。
パターン4(薄利で回転率も高くないケース)
荒利益率 | 商品回転率 | 交差比率 |
---|---|---|
5% | 20回 | 100% |
上記は一見店舗ではそこそこ販売数があると思うかもしれませんが実際は収益性はあまり出ていない商品になります。
パターン5高荒利商品で販売数がほとんどなく商品回転率が上がらないケース
荒利益率 | 商品回転率 | 交差比率 |
---|---|---|
60% | 2回 | 120% |
上記のような商品は感覚的に店舗もカットしたいなーと考えることはできるのではないでしょうか?
ここに関してはその感覚があっているから問題はないと思います。
ですが感覚で、判断してしまうと売れているからそのまま良い商品と思ってほっておくと、意図しないロスリーダーになっている可能性もあるのでたまに交差比率など活用して判断してみると良いのではないでしょうか?
※ロスリーダー:荒利を削って集客を狙うアイテム。
以上が簡単ですが交差比率の考え方になります。こんな計算式もあるんだなーくらいに覚えておくとよいかもしれません。
相乗積とは

荒利ミックス(マージンミックス)といった言葉が飛び交ってくると思うがその際は、たぶん小売業に携わったばかりの方だと何それ?となると思います。
計算式は以下になります。
売上構成比×荒利益率=相乗積です。
相乗積を実際に表で確認してみましょう
分類 | 売上構成比 | 荒利益率 | 相乗積 |
---|---|---|---|
医薬品 | 17% | 30% | 5.1 |
化粧品 | 20% | 25% | 5% |
日用品 | 23% | 20% | 4.6% |
食品 | 40% | 15% | 6% |
合計 | — | — | 20.7% |
上記の場合だと、荒利益の合計が相乗積の一番下にある20.7%になるということです。
この時に担当者としてどこの荒利率を上げたら相乗積がプラスになるのか?
どこの分類の売上構成比をプラスにしたら、相乗積がプラスになるのかを考えるのに使っているケースが多いです。
売場の変化で相乗積を変化させよう。
では荒利率はそのままで医薬品の売上構成比を3%上げて食品の構成比を3%下げる売り場の構成にしてみようと考えます。
食品のエンドを1本減らして医薬品のエンドを増やしただけでこの数字の変化が起きたとします!(たぶん起きないですが・・・)例えばです。
そうすると以下のような荒利率に変化します。
分類 | 売上構成比 | 荒利益率 | 相乗積 |
---|---|---|---|
医薬品 | 20% | 30% | 6% |
化粧品 | 20% | 25% | 5% |
日用品 | 23% | 20% | 4.6% |
食品 | 37% | 15% | 5.55% |
合計 | — | — | 21.15% |
売上は変わらず荒利も変わらないが医薬品の売上構成比を3%上げる努力をしてその分食品の構成比を3%下げる取り組みをしたことで荒利率が0.45%上昇した事例になります。
今回はわかりやすく大きな分類で例を出していますが、基本はもっと細かいカテゴリー等まで落とし込んで計算することが多いと思います。
相乗積とかマージンミックスなど難しい単語が飛び交ったときはこんなイメージの話をしているんだとまずは思ってもらえればOKかと思います。
まとめ
交差比率や相乗積は荒利をコントロールするのに一般的に使われている考え方になります。
相乗積に関しては、みなさん知らず知らずに考えていると思います。
上記の考えを感覚的に実施するだけでなく科学的に数字を分析をして狙ったところに着地させる事がとても重要な考え方です。
なんとなく、売上が上がりそうだからやってみよう!やなんとなく儲かりそうだからやってみようも時には必要な感覚ですが、数字的な根拠や分析をした上で行動に移さないとそれは、全てギャンブルです。
実行が遅くなるから時には感覚でも良いといった考え方は個人的には否定していて、1日、もしかしたら日頃から分析をしていれば半日かけれれば、根拠資料を作成する事ができると思います。
根拠的な分析を基に行動する事で終わった後に、どこが想定と違ったのか、想定通りだったのか判断できて次に活かせるようになります。
大変ですが、ここをサボらずに実施する事がとても重要です!