PI値の計算式はわかるけど実際にどうやって使えば良いかわからないから、ほとんど業務に活かしていない、言葉だけ知っていても使い方がわからなければ知らないとの一緒ですね。
PI値の計算方法は教えてもらって知っていますが、実際に活用したとこは全くないです。
実は使い方がイマイチわからない方は沢山いると思います。
私も実際その内の一人でしたorz
今までの経験上の使い方を説明しますので是非参考にしてみてください。
PI値の計算方法や使い方を金額・荒利・数量・平均値等紹介しながら解説。
すでに、PI値の計算方法はわかっている方がほとんどだと思いますが、念の為復習しておきますね。
PI値=買上点数÷客数×1000ですね。
すなわち1000人顧客が店舗で買い物した場合に何個商品を買ってくれるかを示す数字になります。
PI値自体の計算方法や理論はとっても簡単ですね。
では次からその種類や使い方含めて詳しく説明しますので、是非読んでみてください!
PI値には3つのタイプが存在する
PI値には3つの考え方が存在します。
以下の表に3種類をまとめましたのでまず確認してみてください。
- 数量によるPI値
- 売上によるPI値
- 荒利によるPI値
上記の3つのPI値が存在します。
私は基本的に数量ベースでのPI値しか使いません。
※ここでは、カテゴリー全体の数字を基にPI値を出していますが、実際単品でPI値を出すと平均値は1以下です。(フォーマットによっては上位1割の可能性もあります)1以上のアイテムは常にコンスタントに売れている商品ですね。
100を超えるとファンがついている来店動機になっている核商品です。
荒利は相乗積で測れば良いと思いますし、売上金額で判断するより顧客の人数で判断した方がより多くの顧客に何が求められているかわかるからです。
※客数が一番大切な指標だからです!(客数は減ると衰退の一方です。)
※顧客の指示を図るのにはもう一つ買上率といった考え方もあります。
詳しくはこちら↓
PI値を使ったデータ分析方法
PI値の分析方法には様々あります。
どのような対策を打ちたいかによって見方は全然変わってきます。
ここでは、店舗比較・時系列での比較・価格弾力性の比較の3つに絞って説明していきます。
販売効率が高い店舗比較をしよう。
店舗での販売数比較のPI値表になります。
店舗名 | 菓子 | インスタント | お酒 |
I店 | 30 | 24 | 25 |
S店 | 36 | 25 | 23 |
O店 | 31 | 25 | 24 |
M店 | 26 | 26 | 22 |
N店 | 22 | 20 | 29 |
ここでの比較に関しては、店舗によってどの店舗が一番販売効率が高いかを判断する際に利用します。
例えば、お酒の売上自体はI店が一番高いとします。
ですがPI値が一番高いのはN店です。
この結果から一番売上が高いのはI店なので売上だけで判断するとI店のお酒の展開が一番効率が良くて顧客に支持されていると勘違いしかねません。
店舗比較PI値は全体の売上だけでは見ることのできない、店舗販売効率を見ることができます。
売上が大きい店舗だけを見るのではなく、PI値ベースで見ると今まで見つけれなかった問題点などが解決できるかもしれませんよ。
時間帯や曜日単位での販売比較をしよう。
時間帯別のPI値比較と曜日によるPI値比較に関する表になります。
曜日 | 菓子 | インスタント | お酒 |
月曜 | 29 | 23 | 23 |
火曜 | 29 | 23 | 24 |
水曜 | 30 | 24 | 24 |
木曜 | 30 | 23 | 24 |
金曜 | 31 | 25 | 25 |
土曜 | 33 | 30 | 26 |
日曜 | 32 | 29 | 24 |
まずは曜日別のPI値表になります。
ここでは曜日によって発注数量をどの程度変更するかやどのような商品を売場で強調するかに対して判断します。
少し数字的にわかりにくいですが、インスタントは土日が非常に多く売れる傾向にあります。
お酒は金曜日から土曜にかけてPI値が高まっている事がわかります。
ここでわかることは、インスタント食品は週末に買いだめして平日の昼食や夜食などに食べるために購買数が上がっているのかと推測できます。
お酒は金曜の夜と土曜の夜にいつもより多くお酒を飲みたいと考える人が多いから購買すうが上がると推測されます。
※お酒の場合日曜は明日から仕事のため販売数量が落ちています。
このようにどのタイミングで購入数が上がるかを判断することで発注制度を大きく向上させることができます。
時間帯 | 菓子 | インスタント | お酒 |
AM 10;00 | 31 | 28 | 25 |
AM 11;00 | 31 | 27 | 24 |
PM 00;00 | 31 | 25 | 25 |
PM 01;00 | 31 | 26 | 24 |
PM 02;00 | 31 | 26 | 25 |
PM 03;00 | 31 | 25 | 25 |
PM 04;00 | 30 | 26 | 25 |
PM 05;00 | 30 | 25 | 25 |
PM 06;00 | 29 | 25 | 24 |
PM 07;00 | 30 | 27 | 24 |
PM 08;00 | 30 | 27 | 23 |
PM 09;00 | 29 | 25 | 23 |
PM 10;00 | 28 | 23 | 23 |
変化が少ない数字になっていますね。
実際にお酒などは夜の売上が上昇するように考えることがありますが、実際は時間帯では大きなPI値の変化がないと数字を見て判断することができます。
顧客は人それぞれ買い物ができる時間帯が違います。
差が無いのは買い物する商品に大きな差はなくて人によって買い物できる時間が違うだけといった考え方ができます。
個人的にはタイムセールなどは絶対に買い物に行けない人が損をする施策だと考えるので完全に否定派です。
価格の違いによるPI値の比較をしよう。
価格を変更した際のPI値比較表になります。
価格 | 点数 | 客数 | PI値 |
100円 | 100 | 1500 | 67 |
105円 | 100 | 1500 | 67 |
110円 | 90 | 1500 | 60 |
115円 | 80 | 1500 | 53 |
120円 | 70 | 1500 | 47 |
価格のPI値比較に関しては、弾力性を図ることができます。
とにかく、競合店よりも1円でも安くしたい、価格は下げれるだけ下げるのが正義だと思っている企業もあると思います。
※個人的にはそれで利益をしっかり出せるのであれば否定しませんし、素晴らしい企業努力だと思います。
赤字でもいいから価格を下げ続けている場合は、改善が必要です。
価格でのPI値を比較することで、上記の表では105円でも100円でもPI値が変わらないことがわかります。
価格は安くすれば必ず販売数量が上がるとは限りません。
しっかり価格弾力性を見て無駄に価格を下げて利益を削ってないかはしっかり価格比較をして判断することをオススメします。
価格戦略はPI値を活用しよう。
私が個人的に経験して思うのは価格に関してメーカーが安くしても良いといってくれた商品を安くする傾向がとても強いと実感します。
ですので買い物する側の視点ではなくて、売る側の視点で商品を決めているケースがほとんどです。
これでは、本当の意味で顧客に届かないしズレた価格戦略になってしまいます。
多くの顧客がいつも使っているものは安くないのに、一部の少ない顧客がたまたま購入するような商品のみが安ければいつも買い物してくれている顧客にとっては安い店舗だと全く持って思われません。
もしかしたら、高いとすら思われているかもしれません。
これは全くの無駄な価格戦略になってしまいます。
そもそも、安さが伝わらない商品を市場より安くしているのでむしろ、安くしなくても十分に販売できるのに荒利を削っているだけになりかねないからです!
ここで、使うべき計数がPI値です。
PI値は顧客が1000人きたら何個売れるかの指標ですので、PI値が高ければそれだけ購入者が多いということになります。
結論:PI値が高い商品を市場より安い価格に設定することができれば大半の顧客はその他商品が大幅に安さがなくても安い店舗だと認識してくれるのです!
まず、価格設定をする際はしっかりPI値を見てアイテム選定する事が大切になります。
PI値の目標を決める計算方法について
PI値が100の商品を50品作ろうなどと計画を立てて、店舗の強みの商品を育成したいと考えることがあると思います。
店舗に顧客が来る理由となる商品育成です。
この場合は、点数を増やす以外実施するアクションはないといえます。
客数を減らすといった選択肢はありえないからです。
では、どのような計算式で点数を割り出すか以下の図で説明します。
答えは500ですね。
このように、現状の客数に対してPI値が100になるためには買上点数が何個必要かすぐに掴むことができます。
ただPI値を100目指そうといっても何個売れば良いかわからないとアクションしにくくなります。
しっかり現状の客数でどのくらいの買上点数にするかを明確にして販促を打ちましょう!
PI値を使った販促方法を考えよう。
販促方法はシンプルに2タイプあると私は考えています。
PI値を高める施策とそもそもの客数を増加させる2タイプの施策を実施する事で最大の効果を発揮するといえます。
PI値を高めるために必要なのは店内プロモーションの強化といえます。
外から顧客を新たに呼ぶためには外部へ知らせる広告になります。
店内プロモーションの強化方法とは
①売場の商品のレイアウト変更、エンド展開、売場の拡大など陳列方法の見直し
②商品の価格戦略や販売する方法の見直し。
③店舗サービスの見直し。(接客も含め)
陳列はしっかり単品大量で商品陳列できているか?
接客サービスは気持ちの良いものになっているか?
改めて考える必要があります。
店舗の売場作りに関しては以下の記事にまとめていますので是非読んでみてください↓
外から呼ぶためのプロモーションとは
①来店頻度を向上させる販促の実施。
②新規顧客の獲得
来店頻度の向上では、ロイヤルカスタマーへのお得なDM施策やFSP施策のような購入してくれる金額に応じてお得になっていくシステムの導入などが使われています。
その他最近ではLINE販促がとても有効です、LINE友達数を増加させてお得なクーポンを配信することで来店頻度の向上が期待できます。
新規顧客の獲得ではやはり今だにチラシ広告はある程度有効です。
※近年はかなり効果は薄まってきて入ることは間違いありません。
その他SNSではTwitter企画なども有効的です。
今ではオートリプライでフォロー&RTでクーポンプレゼントなども可能です。
拡散性が高いので新客獲得に有効的と言えます。
その際に注意したいのが、新規を獲得することが目的になるのでTwitterでのクーポンはあっと驚くようなお得であったり面白いものであることが大事です。
最後に
いかがだったでしょうか?
小売業で戦略を決める時にはPI値はとても大切な指標となります。
計算方法が分かっても使い方がわからないと、知らないのと同じ状況です。
しっかり使い方を理解し、より良いアクションプランを提案することで皆さんの評価が上がっていくと思います。
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。