売価還元法とは?わかりやすく計算式も含めて解説します。

売価還元法とは?わかりやすく解説します。 小売りの役立ちMemo
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◆売価還元法ってよく聞くけど計算式とか理論がイマイチよくわからない。

◆売価還元法に関して勉強したいけど、周りにわかりやすく説明してくれる人もいなくて困っている。

◆本を読んだけど周りくどくてよく理解できない。

そんな、悩みを解消するために、簡単に理解できるように解説していきます。

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売価還元法とは?わかりやすく解説します。

売価還元法とは?

売価還元法は、売価で棚卸しをして荒利を確定させる方法です。これだけです。
小売業ではよく使われている方法ですね。

小売業で働いていれば聞いたことがあると思いますし売価還元法って何?と思ったことのある方が沢山いると思います。

私もその1人でした、売価還元法の知識がある程度ないと、どのように荒利が確定されているかわからないので簡単でよいので小売業で努めているならば、覚えておきましょう。

なぜ?売価で棚卸をして荒利を確定させるの?

なぜ?売価で棚卸をして荒利を確定させるの?

小売業だと、原価での棚卸しは非常にコストがかかります。

原価で棚卸できれば割と簡単な式で原価を確定することができます。

荒利は売上ー売上原価で確定されますね。

ということは以下の式で売上原価を出すことが簡単に可能です。

期首在庫原価+仕入原価-期末在庫原価(棚卸し原価)=売上原価
となります。

売上が10,000円で上記式で売上原価が8,000円であれば、10,000円ー8,000円で荒利は2,000円であるとわかりますね。

では、なぜ原価での棚卸しコスト(手間)がかかるのか、原価は特売の時に変更になりますし伝票や商品マスタ(基幹システム)を見に行ったりしないとなかなか判断することができません、お店によっては数万アイテムがあるのにそんなことはしてられません。

なので、棚札(値札)がついてすぐにわかる売価で棚卸しをして、売価から原価に還元する方法をとるので売価還元法と言われます。

これが、売価で棚卸しをして荒利を確定させる理由ですね。

どのようにして、売価を原価に還元するのか?

非常に簡単で以下の式で原価を出すことができます。

棚卸し売価×原価率=棚卸原価

これだけの説明だと、原価率がわからないですとなりますので、まず原価率を出す必要があります。

これが売価還元法のちょっと複雑なところです。

原価率を出すには以下の公式が使われます。

(期首在庫原価+仕入原価)÷(売上+棚卸し売価)=原価率

上記の式を覚えることができればすべて理解できると思うのでOKです。

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実際に売価還元法で計算してみよう。

期首在庫原価=100 仕入原価=200 売上=250 棚卸し売価=150だったとします。

100+200÷250+150

300÷400×100=75%といった計算になりますね。原価率は75%ということになります。

上記の通り原価率が75%とわかりましたので、あとは式に数字を入れるだけとなります。

これで売上原価の数字が出せるようになりますので次に説明します。

棚卸し原価を出して売上原価を確定させよう。

後は最初に説明した式に数字を入れるだけです。棚卸し売価×原価率=棚卸原価

上記の説明で棚卸し売価は150としていました。原価は75%とわかったので代入していきましょう。

150×75%=112.5円となります。

棚卸し原価がわかりましたので、売上原価を出していきましょう!

最初に説明した式に棚卸し原価を代入してみましょう!
期首在庫原価+仕入原価-期末在庫原価(棚卸し原価)=売上原価

100+200-112.5=187.5円 187.5円が売上原価とわかりましたね。

これで最後荒利を確定させよう!

今までの計算で必要な数字はすべて出すことができました。

では、後は簡単です。売上-売上原価とすれば荒利が確定されます。

売上250-売上原価187.5=荒利62.5となりますね。

小数点を四捨五入したので若干ずれますが荒利率は25%となります。

最初に原価率を出した瞬間荒利率がわかるので1-75%=25%だったら以下の式ですぐに荒利が出るのでは?と思うと思います。

売上250×荒利益率25%=62.5ですね。

個人的には、複雑に考えすぎずに上記の方法をとっても、いいのではないかなと思います。

以上が簡単な売価還元法の計算方法です。

売価還元法計算方法を整理しよう。

  • 売価で棚卸しを行う
  • 在庫原価率を求める
  • 棚卸し売価に在庫原価率を掛けて棚卸原価を求める
  • 棚卸し原価から売上原価を求める
  • 売上-売上原価から荒利を確定させる。

上記が簡単にまとめた売価還元法の計算順序となります。

ちょっと複雑な計算式ですが覚えておきましょう。

売価還元法は実棚卸しをしなくてもある程度の荒利は確定できる。

実棚卸しは年に1回とか2回しか行われませんね。

では棚卸ししないとわからないかというとそうでもありません。

棚卸し売価を帳簿上の在庫売価に置き換えることができるので棚卸しをしていなくても荒利を売価還元法の方法で計算することは可能です。

ですが小売業にはどうしても品減りがあります。

一番わかりやすいのは万引きですかね?

ここに関しては実棚卸しを行わないと不明ロスが見えてこないのでわかりません。

完全に正確な数字ではもちろんありませんが、大体このくらいの数字で着地しそうだな?とわかる程度と理解しておいてください。

上記で説明した通り、万引きや不明ロスが必ず発生しますので、基本は帳簿上で行った売価還元法と実棚卸しで行った売価還元法では荒利は実棚卸しした正確な数字のほうが減りますね。

棚卸しは、万引きはもちろん、商品のカウント漏れも大きく荒利の減少の原因になってしまいます。
棚卸し実施前には必ず商品カウントのミスを無くすように、整理整頓など忘れずに実施する事が大切です。

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売価還元法の注意点

売価還元法の注意点
  • 期首の在庫原価率が高いと荒利益は減少する。
  • 前回荒利益率が低い店舗は繰越の在庫原価率が高くなるので荒利が低くなるケースがある。
  • 値上げ商品を計上しないと棚卸しをした時に荒利が増加する。
  • 値下げ商品を計上しないと棚卸しをした時に荒利が減少する。

まだまだ考える要因はあるかもしれませんが本質は売価還元法を理解し上記のような荒利の変化を理解することですね。

ここを理解することが、今後のキャリアのステップアップに繋がると思います。

荒利に関してさらに詳しく知りたい方は以下の記事もオススメです↓

相乗積とは?交差比率の計算方法も含め、わかりやすく解説。

※収益性や荒利のコントロールには必ず必要な考えですので是非読んでみてください。

最後に

売価還元法は小売業で多く使われている手法ですので、必ず覚えておくことをおすすめします。

何のために売価で棚卸しするのか?

何で普段見ている荒利金額が最終的に変わってくるのか?

ここを理解する事はとても大切な事です。

意味もわからず『指示されたから、とりあえず棚卸しを実施してます』ではなく意味をしっかり説明できるようになり、最大の利益を出すためにどのように商品管理をし販売活動を行っていく事が良いか、考えながら行動していくと良いですね。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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