小売業で勤務していれば必ず聞いたことがあるID-POS分析ですが、実際良くわからないし、ID-POSだからできる分析について勉強したい方向けに説明します。
最後まで読んでいただければI D-POS分析とはどんなことができるのか?ID-POS分析の必要性が分かりますので是非最後まで読んでみてください。
POSデータとID-POSデータの違いとは?
ここでは一番最初に理解しておく必要がある部分のIDがつくかつかないか問題です。
まず皆さんがいつも購入レシートを想像してみてください。
レシートには基本的には以下の情報があります。
・いつ買ったのか?
・どこで買ったのか?
・何を買ったのか?
・いくら買ったのか?
・何個買ったのか?
これだけわかれば十分かもしれませんが、重要なポイントが抜け落ちています。
ここまででしたら、IDが必要無いと気付くのでは無いでしょうか?
ここで一番需要なのが以下となります。
誰が買ったのか?(購入者のIDです)
違いのまとめは以下になります。
上記でわかるようにID-POSではないと、顧客の分析ができません。
・なぜそうなのか?
・誰にどのような販促活動をすれば来店してもらえるのか?
・販促を実施した後に来店してくれるようになったのか?
※購買行動に実施前と実施後で変化があったのか?
その他にも、性別年代などをとっている事で、さらに詳しく分析しマーケティングに活かすことができます。
以上が簡単ですが、POSとID-POSの違いになります。
では次に具体的にどのような数字を見ていくかを説明していきます。
買上率とは?
今後は、AIのカメラで本当の意味で来店したけど何も買わなかった顧客の数字も取れるようになった場合考え方を変える企業もあるかもしれませんが、現状ではまだまだ数値として取れる企業は少ないと思いますので基本的には以下の内容で定義されます。
買上率=特定商品やカテゴリーの購入人数÷来店人数(購入人数)
来店人数は来店してレジを通過した(何かを購入した顧客)顧客となります。
ここはユニークユーザー数で考える必要があります。
※ユニークユーザー数とは、1人の顧客が5回買い物しても1名と数える考え方です。
買上率の考え方に関して
店舗で多くの顧客に買ってもらうために展開したアイテムがあります。
その商品を購入した顧客が10名いたとします。
店舗への来店人数は100名です。
その場合、買上率は10÷100となりますので買上率は10%となります。
商品にもよりますが、来店した顧客が90%購入していない事は強化した商品としては問題です。
もし対象者がとても広い商品、例えば牛乳や日用洗剤でしたら10%の買上率は問題だと判断できると思います。
展開方法に問題はないか?
価格は競合と比較して高くなっていないか?
など次のアクションプランに繋げるための大事な指標になりますので是非活用してみてください。
PI値に関して
その他にも同じような考え方でPI値があります。
PI値に関しては別の記事で紹介していますので是非確認してみてください↓
リピート率とは?
リピート率はとても大切な指標です。
人口は減少していく中で、店舗数は増加する状態が続いている以上どれだけ同じ顧客に何度も来店してもらうかが店舗が生き残るために必要かが理解できるかと思います。
考え方は沢山ありますが以下のような事が考えられます。
リピート率の高いアイテムをより多くの顧客に認知してもらい、販促を強化し顧客を増加させる。
リピート率が低いが対象者が多いカテゴリーはリピート率が上昇すれば店舗全体の客数増加に繋がるため何度も買うとお得になるような販促を実施する。
リピート率は以下の数式で定義されます。
リピート率=(レシート通過客数–購入人数)÷レシート通過客数
1ヶ月間の、店舗全体の客数が100人で購入人数が50人だったとします。
その場合は(100-50)÷100となりますので、50÷100で50%となります。
半分の方がリピートしてくれていることになります。
ここでポイントは期間の設定になります。
食品は毎週来て欲しいカテゴリーであれば1週間でリピートしているか見る必要がありますし1ヶ月用の健康食品であれば1ヶ月でリピートしているか見る必要があります。
しっかり戦略的にリピート率を算出して、販促を打っていきましょう。
小売業の販促計画に関しては以下の記事を是非参考にしてみてください↓
リピーター率とは?
単純に2回以上来店している顧客の比率の事をリピーター率と表すことができます。
リピーター率=2回以上の購入者÷購入人数(ユニークユーザー数)
リピーター率は3回来ても、10回以上来店している購入者も全て2回以上来ている顧客と同様に扱うものとしています。
この場合は、耐久消費財などのブランド価値を確認するために使われることが多くなります。
購入頻度があまり多く無いので、前回買ったAのブランドの耐久消費財を半年後に再度Aのブランドの耐久消費財を購入しているかどうかを調べるという具合です。
耐久消費財で、同じブランドを買い続けているリピーター率が高い場合はそのブランドの価値が高いという事が判断できると思います。
リピーター率はブランドに対してリピーターが多くいるかどうか?
ブランドの価値を図るためにも必要な考え方といえます。
併売リフト値とは?
併売リフト値とは、簡単に説明すると全体の買上率に対して、Aという単品商品を購入している顧客がどのような商品を全体の買上率に対して購買の割合が高いかを示す指標となります。
例えば、高価格帯のシャンプーを購入している顧客は、全体の顧客よりも化粧品の購入金額が高いなど知ることができる指標となります。
計算式は以下となります。
全体の買上率=カテゴリー別のユニークユーザー数÷全体のユニークユーザー数
買上率(A商品)=A商品を購入した顧客のカテゴリーユニークユーザー数÷A商品のユニークユーザー数
併売リフト値=買上率(A商品)÷全体の買上率
リフト値が2であれば通常より2倍購入率が高いといった内容になります。
セグメントした販促を実施する際に、A商品を買っている顧客はBの商品を購入する可能性が高いことがわかった場合、B商品を販促する場合はA商品を購入している顧客にDMを実施するなど様々な販促行動に活かすことができます。
最後に
PPMの考え方を説明します。
販促コストをしっかりかけていく部分と増やし続ける必要な部分などを明確に判断する際に使います。
一般的な図は以下となります。
花形製品や問題児とされている部分は投資をして集客を目的として取り込みます。
収益性が高い部分として花形製品と金のなる木と位置付けます。
自分たちが実施している事業などがどこの位置にいるかを知る事が重要です。
問題児を相対市場シェアを大にする努力や金のなる木を増加させる事が重要になってきます。
ただ、感覚で販促活動など実施しても頭打ちになることは間違いありません。
ID-POSや先人が考えたマーケティングの理論を活用し是非自分なりの戦略を作成してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。