小売業で商品の構成を考えるときにABC分析が良く使われます。
実際に単品でABC分析をしてみると、少ない商品が大部分の
売上を確保しているなんてことが分析してわかったりします。
ここでは、簡単に誰でもわかるようにABC分析に関して説明しますので是非読んで見てください。
ABC分析とパレートの曲線とは
小売業ですと、よくABC分析をするケースがあります。
ABC分析とは1つのカテゴリーの中の商品が1,000SKUあった場合の1SKUあたりの売上構成比を足していくイメージで出されます。
※SKUとは、 Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)
といわれており商品管理をする上で一番小さい単位と思ってもらえれば良いと思います。
いまいちわからない方のためにもう少しSKUを説明すると小売業で勤務している場合芳香剤とは管理しません。
例えば消臭力ラベンダーの香りとして判断しますが、顧客は基本芳香剤とひとくくりに考えます。
芳香剤は『品目』とし消臭力ラベンダーの香りは『SKU』のイメージとなります。
ABC分析について説明します。
大まかに少ない商品で例をあげると以下のようなイメージになります。
30品では少ないのでわかりずらいかもしれませんが、通常はCランクの商品アイテムがかなり多くなります。
1,000SKUだった場合は800SKUくらいがCランク商品になるイメージです。
売上構成比の合計が75%までがAクラス商品
商品名 | 売上 | 構成比 | 構成比合計 | ランク |
商品1 | 7,000 | 7.0% | 7.0% | Aランク商品 |
商品2 | 10,000 | 10.0% | 17.0% | Aランク商品 |
商品3 | 13,000 | 13.0% | 30.0% | Aランク商品 |
商品4 | 12,000 | 12.0% | 42.0% | Aランク商品 |
商品5 | 10,000 | 10.0% | 52.0% | Aランク商品 |
商品6 | 10,000 | 10.0% | 62.0% | Aランク商品 |
商品7 | 15,000 | 15.0% | 77.0% | Aランク商品 |
商品8 | 5,000 | 5.0% | 82.0% | Bランク商品 |
商品9 | 5,000 | 5.0% | 87.0% | Bランク商品 |
商品10 | 5,000 | 5.0% | 92.0% | Bランク商品 |
商品11 | 5,000 | 5.0% | 97.0% | Cランク商品 |
商品12 | 200 | 0.2% | 97.2% | Cランク商品 |
商品13 | 200 | 0.2% | 97.4% | Cランク商品 |
商品14 | 200 | 0.2% | 97.6% | Cランク商品 |
商品15 | 200 | 0.2% | 97.8% | Cランク商品 |
商品16 | 200 | 0.2% | 98.0% | Cランク商品 |
商品17 | 200 | 0.2% | 98.2% | Cランク商品 |
商品18 | 200 | 0.2% | 98.4% | Cランク商品 |
商品19 | 200 | 0.2% | 98.6% | Cランク商品 |
商品20 | 200 | 0.2% | 98.8% | Cランク商品 |
商品21 | 200 | 0.2% | 99.0% | Cランク商品 |
商品22 | 200 | 0.2% | 99.2% | Cランク商品 |
商品23 | 100 | 0.1% | 99.3% | Cランク商品 |
商品24 | 100 | 0.1% | 99.4% | Cランク商品 |
商品25 | 100 | 0.1% | 99.5% | Cランク商品 |
商品26 | 100 | 0.1% | 99.6% | Cランク商品 |
商品27 | 100 | 0.1% | 99.7% | Cランク商品 |
商品28 | 100 | 0.1% | 99.8% | Cランク商品 |
商品29 | 100 | 0.1% | 99.9% | Cランク商品 |
商品30 | 100 | 0.1% | 100.0% | Cランク商品 |
売上 | 100,000 | 100% | 100.0% | ― |
上記のイメージでランクは分類されます。
アクションプランは次のパレートの曲線で説明します。
パレートの法則について説明します。
ABC分析した結果をグラフにすると、上記のように実際は約20%程度の商品で全体の売上の80%程度の売上を占めているケースがほとんどです。これをパレートの曲線といいます。
よく2・8の法則と言われたりもしますね。
・売上の8割は全体の顧客の2割が生み出している。
・商品の売上の8割は全アイテムの2割が生み出している。
・業務の成果は全体の2割の時間で生み出している。
などなどでパレートの法則は使われていますね。
では、80%がなくなったとしても80%の売上は確保できるのかと思うかもしれませんが、私としてはなかなかそんなに簡単なことではないと思っています。
確かに0.1以下の構成比しかないアイテムに関してはカットして、構成比が高いアイテムの展開数量をもっと増やして補充や納品の手間を抑えたり、欠品をしにくくする事でチャンスロスを減らすためのアクションはとても大切ですし、日々死に筋退治はしなくてはいけません。
ただひとつ考えないといけないのはONEtoONEでデータを分析していくことです。
もしCランクの商品だからカットしたがその商品を買っている顧客がロイヤルカスタマーであれば、カットした場合にもう来店してくれなくなる可能性があります。
そうなると1つのカテゴリーだけで判断しLTVの非常に高い顧客を失うことになりかねないからです。
LTV=ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)企業にとって長期間でどれだけ多くの利益をもたらしてくれるのかを考える事ですね。
ABC分析は大切ですしパレートの理論も非常に正しいですが、この分析だけを見て判断するのではなく
さまざまな数値分析をした上で判断することが、重要だと私は思います。
まとめ
パレートの曲線をよくロングテールと言われます。
これは2割で売上の約80%を占める事で残りの部分がしっぽのように長ーくなるから事から名前が付けられています。
アマゾンなどのネットショップは店舗では販売しきれない、商品数をネットを使って販売する事で大成功しています。
店舗では、ロングテール部分で顧客のLTVに影響を与える事がないかを分析し問題ないと判断した後で商品をカットし売れ筋の陳列量を増加する棚割り変更をするようにしていきましょう。
Cランク商品をただカットするだけならアルバイトで十分です。
上記でも説明しましたが、しっかりとCランク商品でも定着率が高くないか?など見ていかないと、顧客がついている商品をカットしてしまい、定着率が下がってしまうケースがあります。
しっかり分析して、戦略をたてていく必要がありますね。
分析にはSQLの勉強に興味を持つことをお勧めします。
小売業で分析をしないのは、毎日ギャンブルをしているのと同じです。
お勧めの勉強方法はUdemyが良いと思います。
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品揃えを考える際には是非活用したい計算方法ですので勉強していく事をお勧めします。
必ず役に立つはずです。